Sunday, 8 July 2007

発想の転換

気持ちの良い天気が続く。今日は久しぶりにしっかり寝たので気持ちが良い。密度の濃いバタバタした日が続いたので、少し疲れが取れた。

ここ最近、ほぼ10日間、どういうわけかずっと咳が出ていた。夜寝ている時は特に、途中で目が覚めるほどひどく出た。朝起きると腹筋や背筋がかなり痛くなっていた。咳が出ている間はジムに行くのを自粛したが、咳の出すぎで腹筋や背筋が相当鍛えられた。今日は後ほど久しぶりにジムに行くが、咳のおかげで(?)筋肉痛にはならない気がする。風邪気味でこういう結果になるとは。

こういった逆説的な事は実はけっこうあると思う。一般的に常識と思われていることを異なる角度から見てみると、違うものが見えるのだ。「発想の転換」とよく言われるが、身をもってこれを感じたことが、奇しくもアフリカ滞在時に立て続けにあった。以下のように、生活や生命に直結したことが多かったからだと思う。

①水
そのアフリカの小国では、停電はもちろん断水もしょっちゅうあった。2-3週間水が出ないことも時々あった。自分が住んでいたのは一応外国人専用住宅だったので、一通りの設備が整っていた。屋根の上には貯水タンクがあって、水はいったんそこに貯えられてから家中の蛇口に送られる仕組みになっていた。しかし、屋根の上まで水が送られるためには、まず地下の水道管からある程度勢いよく水が出ないとタンクにつながる送水管を上っていかない。というわけで、水がちょろちょろと出る場合が多かったその国では、貯水タンクは無用の長物であった。むしろ、無い方がちょろちょろ出る水を使えたと思う。

②肉
その国では、冷蔵庫はあまり普及していなかった。だから生鮮食料品はできるだけ早く消費しなければならない。例えば肉。冷蔵庫が無ければ肉が古いと思うかもしれないが、家畜は肉が消費されるその日に処理されることが多く、新鮮そのものであった。余談だが、肉を余らせると腐るだけなので、友人知人にお裾分けするということも多かった。

③病院
次は病気になった時。医学部の無いその国では医者がいない、と思うかもしれない。が、逆にその国には、国などから奨学金をもらってアメリカなどの先進国の医学部に留学した人々が帰ってきているので英語が通じ、滞在中の外国人達はある程度安心していた。ついでに書けば、その国では医薬品を製造していないが、殆どが先進国からの援助物資か輸入されたものが豊富にあったので、見たことのある欧米の会社の薬が安価で入手できた。

というわけで、以上のようなことがあったのだ。このような問題は日本では殆ど考えられないことだろう。先進国というのはある意味では、衣食住を円滑に営むことができる国である。しかしながら、それが当たり前になっていると、見えないものも多いと思う。

「常識」はある程度可変的な部分があると思う。懐疑的になりすぎても良くないが、複眼を持って物事を考える態度を持っていたいものだ。

下の写真は、そのアフリカの小国で暮らした家(イタリアの植民地だったので、イタリア風)


end

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