Thursday, 19 April 2007

R君との再会

かなり前に自分が講演をしたことのある企業団体主催の定期大会が先日あり、招待券を頂いたので行ってきた。講師は二人。一人目は勢いのある話し方で、二人目は比較的淡々と話すのに時々冗談を言って、面白かった。近々少し手伝わせてもらう企業の顔見知りの人々も出席していて、挨拶できてよかった。自分もスピーチするのは好きな方なので、また何か機会があれば良いなと思った。

最近、新疆ウイグル自治区出身の友人、R君と夕食を食べた。インド料理店で食べた。日本での生活のその後、彼の地元の話、宗教や人生観の話まで、普段の会話では殆ど出ない話題が次々と出て、興味深い夜であった。この類の会話で他人、特に外国人と意見の一致があるのはある種の快感だ。R君は新疆出身だから「中国人」であるが、彼の容姿は日本で一般的に馴染みのある中国人のそれではない。彫りの深い中央アジア系の顔立ちだ。彼はイスラム教徒。豚は食べないが酒は少しだけ飲む(本当は両方禁止)。両親がイスラム教徒だから、生まれた時には自動的にイスラム教徒だが、本人にはそれ程関心が無い。それに彼の出身地では、18歳になるまで礼拝所(モスク)に入る事が中国政府によって禁じられていて、幼少期にイスラム的な思想が根付かないようにされているらしい。新疆は中央から遠い場所だし、言語も文字も民族も容姿も違い、独立を目指す動きもあるということで、中華人民共和国統一維持の為にその他にも多くの仕組みがあるらしい。R君は「日本では考えられないような事がたくさんある」と、にわかに仕方無さそうな表情を見せた。新疆だけでなく中央アジア事情について自分はあまり明るくないので、これを機会に少しずつでも目を向けようと思う。

R君は、「僕や僕の友達はきっと天国に行けないと思う」と言った。そして「だって日本人は良い人が殆どだから、天国は日本人で満員だ」と真顔で言った。日本をとても気に入っているようである。


<了>

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